階段昇降機、介護用リフト、エレベーターメーカー「ダイコー」なら販売・設置・レンタル承ります。

プロフィール

Fさん/江東区在住/70代の女性/要介護3/4階建て住宅に長男夫婦と同居

Fさんは、昨年、大腿骨を骨折し手術後2カ月で退院し、シルバーカーを押して室内移動ができるまでに回復しましたが、持病の糖尿病のため1日3回インスリ ン注射が必要なうえ、もともと家の中にいるのが好きだったため退院後は一歩も家から出ない日々が続いていました。認知症の傾向もみられるFさんは家の中で 移動中に転倒したこともあったので家族は無理な活動はすすめませんでしたが、糖尿病の受診もあるため2カ月に1度程度の通院だけは欠かせません。Fさんを 車いすごと降ろすときは長男とお嫁さんの2人がかりとなり1階と2階の移動は大仕事でした。

設置までの経緯

退院で困り果てていたら、ケアマネから助言が……

Fさんはヘルパーさんの派遣も「お嫁さんがいるから不要」と拒んでいたため、お嫁さんは仕事の合い間をぬって介護していましたが「母がまだ自力で動けたうちは考えもしなかったが、いざ退院となると今まで以上に自力の移動は頼れず、本当に困った」とケアマネジャーさんに相談しました。するとケアマネジャーさんから階段昇降機の導入を提案され、江東区の助成制度を利用して階段昇降機の基準額80万円のうち90％の72万円が助成金として支払われるので利用者負担は少なくてすむことがわかりました。お嫁さんはいくつか階段昇降機を比較した結果、「ステアリフト」を選択しました。

選定のポイント

階段のカーブがスムーズ

複数のメーカーを比較したお嫁さんは、階段昇降機によってはジェットコースターのように傾斜が急に感じられたり、カーブが鋭角だったりすることが気がかりで したが、「ステアリフト」は傾斜もカーブ角度もきつくなく、また乗り降りする位置も自動的に設定することができるので高齢者にとって安心感がありました。 計測にはスタッフ2人が訪問して終日、家中を計っていたのでお嫁さんは驚きましたが、でき上がった詳細な図面を見ると、他社では取り付けができないような 階段にもほとんど対応できるという実績が実感できました。綿密な設計にもかかわらず取り付けは1日で完了することにも感心しました。

取り付け後の圧迫感がない

階段昇降機の多くはレールが2本のため場所をとり、階段の幅に対して圧迫感がありましたが、「ステアリフト」は1本レールなので階段の幅の占有面積が少なく圧迫感を感じませんでした。イスまわりのデザインもシンプルで小さく、コンパクトに折りたためて見た目もすっきりしているのが印象的でした。
※ドイツの福祉機器展においてグッドデザイン賞を受賞

高齢者でも操作が簡単

Fさんが昇降機を使用するときは家族が見守りますが、単純な操作でご本人が簡単に動かせることも選択の基準となりました。「ステアリフト」はボタン操作が苦手な高齢者でも扱いやすいよう、イスの肘かけ部のジョイスティックを傾けるだけで動かせるので、認知症の症状がみられるFさんでも簡単に操作できます。リモコンもイスの肘かけ部と同様にジョイスティックを傾けるだけで操作でき、1階と2階の上下2カ所に設置するので家族がリモコンを取りに行き来しなくてすむ便利さも決め手になりました。

設置後の改善点

外出機会が増えて心身とも健康

昇降機を導入してから、Fさんは週1回、デイサービスにリハビリのため通うようになりました。人手に頼らずに自分で自由に移動できる自信からか、生活に活力が出てきてヘルパーさんの訪問も受け入れるようになりました。以前は「面倒くさい」と通院さえも嫌がり、家族が外食に誘っても「留守番している」と答えて引きこもりがちなFさんでしたが、今ではデイサービスのほかに日曜日は家族と外食するのが習慣になりました。食事の後は散歩をするまでになったFさんの姿に、お嫁さんはFさんに前向きさが見られるようになったと喜んでいます。

デイサービスに通うようになってからは脚力も次第につき、家の中で転倒することもなくなりました。たまにデイサービスのリハビリで疲れて帰宅したときも、力を使わずに楽に居室に上がれるので「（階段昇降機に）座るとホッとする」とお気に入りのご様子です。

使用後の感想

お嫁さんの声

1階と2階の移動が楽になり身体介護の負担 が軽減できたうれしさはもちろんですが、母の性格が明るくなったことが1番うれしいです。自分の好きなときに階段を利用でき、家族にも気兼ねなく移動できることが母を変えたような気がします。ケアマネジャーさんに教えてもらうまでは考えもしませんでしたが、同じように在宅で介護をする家庭にこういう便利なものがもっと普及するといいなと思います。

ケアマネジャーさんの声

Fさんは外出もヘルパーさんの導入にも抵抗を示されている方でしたが、退院後の生活パターンが変化したのを機に階段昇降機を導入して良かったと思います。階段昇降機はそれなりに費用もかかり、ご利用者様の経済状況や住環境などの考慮も必要ですが、物理的な障害を取り除くことでご利用者様が外出しやすくなったり、人を迎え入れやすくなるなど大きな効果が生まれるケースを数々見てきました。

家の中ですごす時間が多い高齢者の方々にとって、快適な環境作りは在宅での介護生活を続けるための重要な要素です。ご利用者様が日常でなにか1つでも楽しみを増やせるように、今後もこうした福祉機器の活用をケアマネジャーとして提案したいと思います。